じぶん年金 目標金額設定

【目標設定】FIREしない社長のための「じぶん年金」設計図 ー目標金額設定ー


「FIRE?あまりピンとこないな…」

投資界隈ではすっかり定着したこの言葉。でも、経営者や自営業者にとっては、どこか他人事のように感じることも多いのではないでしょうか。

実際、私自身も「嫌な仕事から解放されたいから投資する」という感覚は持ち合わせていません。むしろ、「好きな仕事を自分のペースで続けたい」というのが本音。

本記事では、FIREとは違うスタンスをとる50代の経営者が目指すべき「じぶん年金」の具体的な目標設定と、その根拠について、私自身の計画を例にご紹介します。


目次

なぜ「FIRE」は経営者に刺さらないのか?

最近、「30代で早期リタイアしました」「資産収入だけで暮らしています」といったFIRE体験談をよく目にします。もちろん、それが素晴らしい選択肢であることは否定しません。

でも、私たち経営者にとって、FIREの前提である「仕事=やめたいもの」という発想自体がしっくりこない。なんとかFIREとか、いっぱい種類があって、それらしく解説している人をよく見かけますが、私にとっては全部一緒に聞こえます。

私自身、50歳を迎えた今もなお、事業には情熱がありますし、働くことそのものが人生の充実感に直結しています。スタッフから、顧客から、取引先から、必要とされていると感じることも、私が働く原動力となっています。

それに、「もう働かなくていい」と言われたら、逆に不安になるくらいです。こんなことを書くと、搾取される側の考えが染み付いていると思われるかも知れませんが、実際そうなのかも知れません。

ただ、私にとって大切なのは、働く自由、やめない自由もあって良いと思うのです。だからこそ、資産形成の目的も「嫌な仕事からの脱出」ではなく、「好きな仕事を経済的制約なく続けられる状態」をつくることなんです。


「65歳まで働く」が前提の私の人生設計

私は、60歳から65歳までの期間に自分の会社での役割を段階的に縮小させ、後継者である息子にバトンタッチする予定です。

ただし、完全リタイアではなく、相談役や非常勤として、ゆるやかに関わり続ける可能性が高いです。もちろん健康状態が許せばの話しですが。

そうなると、重要なのは「65歳以降の生活を支える資金をどう準備するか」。

ここでのポイントは、「生活費すべてを資産で賄う必要はない」ということです。

例えば、私のケースでは

公的年金:私達夫婦の場合は夫婦合算で、年間360万円程度の予定

退職後の仕事・役員報酬:ゼロでもOK(息子がお小遣いくれるかも)

不足分を資産からの取り崩し=「じぶん年金」で補填

公的年金の支給額はあくまで現在の予想値です。毎年送られてくるハガキに予定支給額が書かれていますので、チェックしましょう。マイナポータルからであれば、いつでもチェック可能ですよ。

このように将来のお金を分解することで、必要な資産額がグッと現実的になります。


私の生活設計:月80万円の内訳

では実際、65歳時点の生活費をどうやって想定するしていけば良いのか?

現在の可処分所得は?

子供達は独立している?

65歳時点で住宅ローンは残っているのか?修繕などの必要性はある?

親の介護費用は?

など、考えられる様々な可能性を考慮して、必要な金額を割り出しましょう。

現在の可処分所得の7割を見ておけば、老後の生活は大丈夫と言われていますが、概ね正しいように思えます。

私の場合は、月額80万円に設定しました。

内訳は、

  • 公的年金:月30万円
  • じぶん年金(資産取り崩し):月50万円

このラインを維持できれば、私達夫婦の生活レベルであれば、趣味にも旅行にも、お金の不安なく使えるのではないかと考えています。

「贅沢すぎる」とか、「少ない」とか色々と感想はあるかと思います。その想像こそが未来の生活を設計するための第一歩だと思います。

50代から資産形成を始めた私にとっては、公的年金以外に月額50万円のじぶん年金を生涯に渡り安定的に取り崩せる状態、それこそが「目指す価値のある現実的なゴール」なのです。

老後の夫婦のゆとりある生活には月額38万円必要という記事をよく見ますが、他人に生活費を決められたくないですよね。


月50万円のじぶん年金を得るには、いくら必要か?

ここで登場するのが、いわゆる「4%ルール」です。

「4%ルールとは、年間支出の25倍の資産があれば、理論上は資産を長期間維持できる」という投資界の目安。

私の年間取り崩し目標は600万円(月50万円×12)。

これを25倍すると…

必要資産額:1億5,000万円

これは単純化された数字です。実際には税金、インフレ、相場変動を加味して調整が必要です。

もちろんキャッシュでもう持っているよという方もいらっしゃると思いますが、私はこれまで散財してきた過去があるので、そんな現金はありません。

今後お話しする、NISAやiDeCoなどに投資していけば、現金で1億5,000万円も用意する必要はないと考えています。


じぶん年金は「埋めるべき穴」から逆算する

資産形成は「なんとなく多ければ安心」という話ではありません。

あくまで「不足する金額(=穴)」を把握し、それをどう埋めるか、という設計です。

仮に、私のケースで考えてもらうと

  • 年間生活費:960万円
  • 年金:360万円
  • 事業収入:0円(最悪を想定)

ならば、不足額=600万円

この600万円をカバーするために、「いくらの資産が必要か?」を考える。

そしてその資産を、残りの10〜15年でどう積み上げていくか?

このように「逆算思考」で資産形成を考えるのが、私たち50代経営者にとって現実的なアプローチです。


まとめ:あなたの「じぶん年金目標額」はいくらですか?

FIREとは異なる、経営者ならではの資産形成。

大切なのは、「誰かが決めた平均値」ではなく、あなた自身の人生設計に合った目標額を持つこと。

  • 何歳まで働く?
  • どんな生活を送りたい?
  • 年金や事業収入はどれくらい期待できる?

それらを元に、「じぶん年金」の目標額を設定しましょう。

「1億5,000万円?無理だ…」と感じるかもしれません。

でも、まずは目標を定めることが第一歩です。そこから毎月の積立額、運用利回り、資産配分などを考えていけばいいのです。

次回は、実際に私が取り組んでいる「NISA・iDeCo・変額保険」の活用法を紹介します。


▼次回予告:

【実践編】忙しい経営者でもできる!NISA×変額保険×DCで組む『じぶん年金』戦略

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